今度はセカンドアルバムのNorth Windです。

North Wind

North Wind

全作詞:三浦徳子 1〜7、9、10作曲:小田裕一郎 8作曲:平尾昌晃
1 白い恋人 編曲:大村雅朗
自分の心の中に隠していた激しい恋に気付いた女の子(彼のことが好きすぎて泣いちゃってる)が主人公の作品。「SQUALL」にはなかったちょっと大人びた雰囲気。「ラブソング」や「鍵のついたダイアリー」で今までの軽い恋を比喩している詞も印象的です。曲はメジャー調だが詞はマイナー調です。

2 花時計咲いた 編曲:信田かずお
1分近くある長い2段イントロ(ピアノ&ストリングス→エレキギタークラシックギター)。奥行きを感じさせる詞(失恋の悲しさ→失恋の悲しさを忘れていく寂しさ)、うら寂しいメロディ、聖子さんの歌声の三位一体感が素晴らしい作品です。なぜか彼女がいる場所は北海道という感じがします(特に根拠なし)。

3 North Wind 編曲:信田かずお
やっと3曲目で曲も詞もメジャー調の作品登場です。お調子者で少々鈍い彼氏(「好き」と言われて気付いたが聞こえないふりをしたのか、それとも聞こえてなかったのか?)が大好きな女の子。彼女のウキウキする心を表現したような曲が素晴らしいです。

4 冬のアルバム 編曲:信田かずお
1983年にフジテレビで放送された「振り向けば・・・聖子」のVTRで先にこの作品は聴いていたので、このアルバムの発表時点(約2年半前)でどのような歌い方をするんだろう?と思っていたが、作調に合致した「振り向けば・・・聖子」時に近いささやくような歌声でちょっとびっくり&安心。2度目の「Kiss me please」で歌声(=感情)が高まるところが良いです。

5 風は秋色 編曲:信田かずお
おそらく聖子さんの作品中最も高い声(D5=普通のドの1オクターブ上のレ)が発せられる作品。ファンからは「青い珊瑚礁」の二番煎じ扱いを受けることもあります。それにしても「ちぎれた愛」、「心のあざ」という詞から失恋の歌だと思われるが「あなた」はいったい何者なのか。「あなた」の心は離れてしまったけれどまだ「あなた」に抱きしめてほしいのか、それとも別の誰かとの恋で傷ついたので「あなた」に抱きしめて欲しいのか。

6 Only My Love 編曲:信田かずお
聖子さんの作品中指折りの名曲&人気曲だが、まだこの時点では詞の世界観を完璧に歌いこなしているとは言えない感じ。それとアレンジもなんか違和感が(キーはいやに高いしテンポも速いし・・・)。2年半後の「振り向けば・・・聖子」で完成形だと思います(腰の据わった歌唱、ゆったりしたテンポ、バックのザ・コンソレーションの演奏も最高!)。

7 スプーン一杯の朝 編曲:大村雅朗
バックに流れる「ブッブブンブブン〜♪」(表現が稚拙ですいません)、「えっ!?聖子ちゃんが彼氏とベッドイン!?」とびっくりさせる詞(よく聴くと夢の中の話と分かる)、語尾を伸ばす歌い方(「寒いわ〜ん」、「交わして〜ん」)、間奏と最後に登場する聖子さんの高音のスキャット。何とも不思議な雰囲気の作品。

8 Eighteen 編曲:信田かずお
唯一の平尾昌晃先生作曲作品。とてもさわやかな折り目正しい青春ポップス。個人的には最後の「私はEighteen〜♪」で声を張るところがツボです。

9 ウィンターガーデン 編曲:大村雅朗
またもやお調子者の彼氏登場。クリスマスの幸福感が伝わる暖かな作品。どうして「あなたを愛して二度目の冬」なのに「愛の花はまだ蕾」なんだろうか?と思ったが、「はじめてのkissをあなたにあげたいわ」と出てくるので、この二人はおつきあいし始めて間もないんですね。「お互いに愛し愛されて愛の蕾が花開く」ということでしょうか。

10 しなやかな夜 編曲:大村雅朗
鈴の音、風の音、ギター、ケーナが混ざり合う長いイントロ。「SQUALL」に収録されていた「九月の夕暮れ」よりもっと暗く寒々しい作品。「演歌」や「フォーク」とカテゴライズしてもいい作品だが、聖子さんはしっかり詞の世界観を歌いあげています。