「男たちの大和/YAMATO」

 http://d.hatena.ne.jp/onething/20051207で、脚本を降りた野上龍雄版の感想を書いたが、この映画版は全然別物です。

 この佐藤監督の完成版の方が人間が書けているだけ出来がよろしいかと。

 しかし、戦時中に生きていた人達はあんなにウェットだったのかは、甚だ疑問だ。

 「神尾さんが好き!」とか「死んじゃいや・・・」、「おかあさーん!」とか、慎み深いことで有名な銃後の女性が泣いたり、栄誉ある大和の少年兵があんな大声で絶叫したとは思えないですけど。

 無言で戦地に愛する人を送り出しているとき、また赴く時、心で泣いているといった感じでは?

 どうもこの作品に登場する人達は、戦後生きた人達の感覚が入っている気が・・・。

 まあこの表現の方が分かりやすいといえば分かりやすいが、もう少し演出は抑えた方が良かったと思う。

 アベンジャー機の機銃掃射で粉砕される大和の乗組員の残酷な死にぶりは素晴らしい。アメリカ人には到底表現出来まい(スピルバーグを除く)。

 70/100