映画

「ジャーヘッド」 新兵として厳しく訓練され、湾岸戦争に派遣された狙撃兵のスオフォード(ジェイク・ギレンホール)。 しかし待機の連続。挙句の果てには実質4日で戦闘終了。 今日日の戦争における「兵隊」、「戦場」の意義を問う作品。 キューブリックの…

「博士の愛した数式」 風景だけ美しく撮ることに執心して、人物描写が非常におろそか。 博士(寺尾聰)に出会う前と出会った後で、家政婦(深津絵里)とルート(斉藤隆成)に全然変化がない。 特に家政婦に結ばれなかった不倫の痛手とか、女手一人で息子を育…

「ミュンヘン」 第3者の日本人から見ると、パレスチナもイスラエルも不毛な争いをいつまで続ける気か。 しかも、今やっていることは30年前と全然変わらないじゃないか。 莫大な金と人命を途方もなくつぎ込んで。 両方が賢くならないと、この報復の連鎖は…

「どですかでん」 黒澤明初めてのカラー作品。 なにもかもがどぎつい。登場する人物の生活描写も、セットに施された色使いも。 オムニバスかと思うほど各人が絡まない。 カラーで「どん底」なんか撮ったらえらいことになっていただろう。 武満徹の音楽とはえ…

「バルカン超特急」 ヒッチコックの1939年の作品。 「フライトプラン」がこの作品を換骨奪胎しているというので観てみる。 こちらの方がずっと無理なく人物消失の理由が説明されている。これを観ると「フライトプラン」の構成は杜撰以外の何者でもない。…

「フライトプラン」 ジョディ・フォスターの「俺さま映画」。 ジョディの殊勝&必死な母親ぶりが突出していて、謎解きは突っ込みどころ満載で穴だらけ。 これほど酷くはないが、猛母が孤軍奮闘する点では「パニック・ルーム」と同じ傾向の作品。 最後の方は…

「椿三十郎」 痛快娯楽時代劇でありながら、三十郎(三船敏郎)が刀を振るって得られる強さは必ずしも彼を幸せにはしないという部分も描かれていて興味深い。 ある種、座頭市に近い屈折アウトローといった感じを受けた。 「てめえらのおかげでとんだ殺生をし…

「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」 主人公であるキャサリン(グウィネス・パルトロウ)の造形に厚みがない。 彼女が、父である教授(アンソニー・ホプキンス)に匹敵するレベルの逸材であり、画期的な数学の証明を生み出せる可能性があるという事象を強調し…

キングコング(1933年版) 画面に登場する人間たちと心情が全然交わらないコングの立ち位置に驚いた。 ニューヨークで大暴れするその姿は孤独感たっぷり。 それに対比されて映し出される人間の愚かさ。 終始キャーキャーうるさいヒロインのアン(フェイ…

アメリカ映画史上50人のヒーローと50人の悪漢 http://www.afi.com/Docs/tvevents/pdf/handv100.pdf ヒーローベストテン 1 アティカス・フィンチ(アラバマ物語) 2 インディアナ・ジョーンズ 3 ジェームス・ボンド 4 リック・ブレイン(カサブランカ…

ミリオンダラー・ベイビー 繊細に描いてある部分と大味に描いてある部分にあまりの差がありすぎて、物語の中に身を委ねて飛び込んでいけなかった。そのおかげで心が動かされるはずのオチに、何も感じることができなかった。 光と影を駆使した撮影は超一級品…

http://d.hatena.ne.jp/dahlie/ あなたは2005年公開の映画を何本観ましたか? 私は現在27本です。去年の半分しか見ていません。 作品のラインナップも去年に比べて総じてしょぼかった気が。 去年は「王の帰還」、「誰も知らない」、「世界の中心で、愛…

あらしのよるに メイ(成宮寛貴)は女の子の声でもよかったんじゃないかしら。ガブ(中村獅童)を筆頭として、ギロ(竹内力)やバリー(山寺宏一)、ビッチとザク(アメリカザリガニの柳原と平井)の狼側の演者は全く違和感なかった。 もう少しメイ(食べら…

Mr.&Mrs. スミス ストーリーや細部は本当にめちゃめちゃの極みだが、多くの客が求めるブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの息のあった掛け合いはうまいこと成功している。 というか、作品のお勧めどころはそこのみといった感じ。退屈はしないけど。…

その1 いぬのえいが(DVD) オムニバス。作品によって出来不出来が激しい。 最初の作品が一番醜悪。どあたまから渡辺えり子と佐野史郎の掛け合いなんて見せないで欲しい。 宮崎あおい主演の「ねえ、マリモ」は個々の観客の思い出に訴えかけてくるような…

「ALWAYS 三丁目の夕日」 丁寧な演出、役者の好演、的確なCGの使用。 日本人が戦後手に入れたものと、そこに来る過程で失ったものをさらりと描き出す。 特別出演の三浦友和も「出演してこれほど満足だった映画は今までなかった。もっと出番が欲しかった」…

最も感動するアメリカ映画100選。 http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200511190016.html 候補はこちら→http://www.afi.com/Docs/tvevents/pdf/cheers300.pdf 100本はきついので、とりあえず300本のうちから選べるだけ選んでみました。 9 アメリカン…

「アビエイター」(DVD) ハワード・ヒューズの履歴書だけを見せられ、本人の面接なしという感じ。 潔癖症で、プレイボーイで、酒は飲まず、ずっと孤独で、なにより飛行機が大好きというのは分かったが、3時間かけて彼の内なるものは不明のまま。 ディカ…

「この胸いっぱいの愛を」 なんだろう、少なくとも私のこの胸は愛でいっぱいにはならなかった。 オチもなんか腑に落ちないし。 しかし、臼井さん(宮藤官九郎)の泣き顔を見たら、こっちまで泣きそうになった。

「私の頭の中の消しゴム」 ベタといえばベタな題材だが、ベタをきっちり見せきる確かな演出力。 描写が非常に丁寧で好感が持てる一本。 無骨な男が流す一粒の涙には説得力があった。 精神の死とはなんと悲しいことか。 「人を愛する心」を試されているような…

「春の雪」 2時間半という長丁場ながら退屈はしなかったが、絶賛という風にもならなかった。 今日日の状況で恋愛映画の秀作を作ることの難しさを改めて再確認した一本。 清顕(妻夫木聡)と聡子(竹内結子)の2人を阻む障害に、現代人の私はピンとこない。…

キーラ・ナイトレイ主演の「ドミノ」 「ニキータ」ばりの豪快アクションを期待したが、はっきりいって編集遊びだな。 トニー・スコットは「マイ・ボディーガード」と同じく画像が見辛くて目が疲れる。 34/100

黒澤明 「夢」 「こんな夢を見た」で始まる8つのお話。 世界に冠たる巨匠の作品だから、どんな破天荒な夢を見せてくれるのかと思ったら案外素直で平凡だった。 後半の作品になると、夢とは無縁のはずのメッセージ性まで付加されてくるし。しかも映像じゃな…

「タッチ」 根本的に原作の双子という設定を踏襲して、斉藤祥太&慶太という本物の双子を大抜擢したのは失敗。 達也と和也の区別が付かなくて紛らわしい部分がある。 原作だと、双子だけども顔の見分けはちゃんと付くようにしてあるしね。 盛り上げるべきツ…

「SHINOBI」 主人公2人(朧=仲間由紀恵、弦之介=オダギリジョー)の性格付けにメリハリがないので、ずっと2人が「ボンボンのボンクラ」に見えてしょうがなかった。 65/100

「穴」。最初は不条理コメディかと思ったが、ラストが爽快で楽しかった。 ちなみにシガニー・ウィーバー出演の方。間違ってもソーラ・バーチ主演の「穴」は借りるなよ。 なんちゃってミステリーですから。